小売・流通業でのボトルネック

ボトルネックを見つけ出す具体的な事例として、小売・流通業で考えてみます。これまで、小売・流通業で来店客の人数をカウン卜するのは、専任の人が、カウンターで数えていました。人が数えるためには、一つの入口に1人が1日立って計測するとしましょう。ショッピングセンターは12時間くらいオープンしていますから、時給1000円として1万2000円/日、36万円/月、10か所でカウン卜すれば360万円/月、年間で4320万円という勘定になります。馬鹿にならないコストになります。このコストを出し惜しみして、特定日にしか来店人数をカウン卜できず、季節による変動、天候による変動、土日と平日の違い、給料日前と給料日後など、それぞれの条件ごとに来店人数がどう変動するのかを詳細に調べることができません。ところが、同じようなことをAIを活用すると、かなり大きく改善されます。例えばですが、月1万6000円(1台あたり)でカメラを取り付けてお客様をカウン卜するとして、10か所で16万円、1年間計測し続けても192万円でできる勘定になります(設置費用は別途必要ですが)。4320万円対192万円。コストだけ見ても結果は明らかです。更に、「コス卜・正確性・データ量」なども考慮すれば、来店客数のカウン卜だけ考えてもAIのほうが正確・安価であることは一目瞭然です。しかも、このような忍耐のいる仕事はAIのほうが向いており、そこから得られる情報は売上・利益に貢献する施策を考えるための大きなヒントになるはずです。